どうも、たか (@takamos_couple) です!
大学院で学生として研究を行っている方にまず質問なのですが、
毎日毎日こんなに研究やってて意味あんのかな、、、
って思ったこと、ありませんか?
僕はありまくる
教授からの圧とか、周りの雰囲気もあって、熱心に研究を行うことが絶対的に素晴らしいという価値観が蔓延りがちな研究室という環境。
でも特に給料も貰えないのに毎日何時間も研究して、成果が出たとしてもアカデミックに進む人なんて一握りなのでメリットはそんなに大きくない。
となると、
「んじゃあ何のために学費払って研究しているんだ、適当に手を抜いて学位だけゲットが一番コスパいいやんけ」
となるわけです。
僕はこの考えを否定はできないし、何なら盲目に研究一筋になるくらいだったらこっちの考えの方が賢いのではとすら思います。
でもやっぱり、研究に集中できる貴重な機会なのだし、そんな価値観ではもったいないとも思います。
そんな中、「研究を行う価値」にヒントを与えてくれるような書籍と出会いました。
それがこちら!
ライフピボット 縦横無尽に未来を描く 人生100年時代の転身術です!!
というわけで今回は、こちらの書籍を参考に、研究によって得られる3つの蓄積をまとめ、研究を行う価値について自分なりにまとめてみました!
こんな方々のお役に立てれば幸いです!
それではどうぞ!
▼研究室が辛い原因考えてみました
3つの蓄積とは?
まず、ライフピボット内では3つの蓄積を以下のように定義しています。
まずこの図で表している通り、研究生活で得られる蓄積のメインは価値提供できるスキルセットになるかと思います。
そしてその中でもコンセプチュアルスキルを伸ばすとても良い機会であると思います。
それでは順番にまとめていこうと思います。
価値を提供できるスキルセット
テクニカルスキル
一般的にスキルと言われて思い浮かべる能力がこのテクニカルスキルになるかと思います。
これはどんな研究をしているかにも大きく依存するため、実験系の研究をしていた場合に限った話をすると、研究生活で得られるテクニカルスキルは大きく以下の2つかなと思います。
各種装置の使用方法、原理
研究を進めるうえで精密機械を用いることがあると思います。
そして、こういったものの多くは完全な自動化には至っていないことが多いため、このスキルは育っていくかと思います。
そして使用方法を覚えることを通じ、その原理などにも精通していき、
他の装置を使用する際にもその知識を応用できるようになるかと思います。
EB装置のSEMでビームアライメントを調整したから、SEMの上達がすごく早かったね。(わからん)
ただ、今後全く装置に関連のない職業に就く方には必要のないスキルかもしれません。。。
資料作成能力
研究生活を送っていると文献紹介や研究進捗報告のためにスライド作成や文書作成をする機会が多くあります。
そして修士2年になり感じることは、学年が上がるごとに発表が分かりやすいということです。
そりゃそうよ
まず何を伝えたいかを考えてから論理展開を構成して、スライド、文書を作成していくので聞いている側もどこに集中すればよいのかが非常に分かりやすいんです。
この能力は企業に進んでも活きると思うので意識して取り組む価値が大いにあるかと思います。
▼ブログ作成も資料作成能力向上につながるかもね。。。
ヒューマンスキル
テクニカルスキルが対事柄のスキルであるのに対し、ヒューマンスキルは対人のスキルです。
研究室という環境は非常に閉じられたコミュニティですので、この中でいざこざがあると非常に居心地が悪くなります。
ですので、このヒューマンスキルが重要となってくるわけです。
指導教官、先輩とうまくやる能力(コミュニケーション能力)
研究は完全単独で行うことなどありえないので指導教官や先輩と関わりながら進めることになります。
そして、彼らとの関係が破綻すると本当に地獄の日々になりかねません。。。
ですので、仲良くする必要はないまでも嫌われない程度には振舞わなくてはなりません。
こういった時にいわゆる「コミュ力」が大切になります。
コミュ力といっても話し上手である必要はありません。
会ったら挨拶をしたり、話していて相手が不快に思わないように相槌を打ったり、適度に自己開示をする習慣を身につけるチャンスかと思います。
大事なのはバランス感覚です。
▼何より人格破綻した人がいなさそうな研究室に入るのが重要です、、、
▼組織内でのバランス感覚についてヒントをくれる書籍です。おすすめ。
得られた結果を適切に報告する(プレゼンテーション能力)
これは資料作成能力にも通じてきますが、日々の研究の進捗を分かりやすく相手に伝える能力になります。
相手の持っている前提条件を踏まえて実験の意図や結果を説明できなければ、仕事のできないやつと認定されて当たりがきつくなる場合があるので意識して取り組むのが吉です。
▼プレゼン上手い人の発表を良く聞いて鍛えていきましょう、、、
指導教官の指示の意図を理解する(ヒアリング能力)
指導教官が受け持っている学生が多い場合、手取り足取りものを教えたり、実験に同席することが難しくなり、口頭での指示をだしてあとは任せることが大半になっていくかと思います。
こういった時に何が知りたくてその指示を出しているのかを明確にすることが重要です。
何か指示を出された時に、なぜかを考え、わからなければ質問することを意識することでヒアリング能力は鍛えられていくはずです。
▼ゼミでも鍛えていけるはずです
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、以下のような能力を指します。
コンセプチュアルスキルは、物事を抽象化したり多面的に見たり、論理的に考えたり発想を飛躍させたりする、 概念化能力のことを指します。
黒田 悠介. ライフピボット 縦横無尽に未来を描く 人生100年時代の転身術 できるビジネスシリーズ (p.54). 株式会社インプレス. Kindle 版.
一見分かりにくいですが、研究をしていくうえで最も伸びやすい能力がこれだと思っています。
このコンセプチュアルスキルとして以下のような能力を挙げています。
得られた結果を解釈する
研究の結果の多くは、一意的な解釈は出来ないことが多い。
だからこそ、これまでの結果と照らし合わせたり、過去の報告を参考しながら結果を解釈していく。
この過程でロジカルシンキング能力や、多面的視野を持つ能力が鍛えられていく。
研究のストーリーを練り上げる
研究は基本ストーリー(仮説)を立ててから実験を始めるものですが、その通りの結果が出てこないことの方はザラです。
正しく僕の研究。
こういった状況であっても時間が限られている以上、研究を発表する必要は出てきます。
こういったときに、得られた結果を基にストーリーを再度練り直すことがあります。
研究を進めるうちに当初の予想とは異なる結果が得られた。
これらを論理的思考能力、多面的視野を用いて抽象化し研究の社会的意義、学術的意義を見出していく過程です。
この時に論理的思考能力、多面的視野が大いに鍛えられると思います。
読んだ論文の論理を理解し、妥当性を吟味する
論文を読むという行為の意義は、ただ単に知識を蓄えるためではないと思います。
最先端の研究であっても、ある程度のことであればググれば知ることが出来るので、ただ知っているということの価値は意外と低いと思うんですよね。
でも論文は個人的にはたくさん読んだ方がいいと思うんです。
それはなぜかというと、論理的、批判的思考能力が養われるからです。
論文にはアブストラクトからまとめまで、一貫した論理が詰まっています。(煩雑で強引な論理もある)
これを論文の流れに沿って理解していくことで論理的思考能力が養われる。
そしてこういった論理を数多く経験していくことで自分の中にアーカイブが出来上がっていき、
これってあの論文で言ってることと食い違うけどどうなんだろう?
とか
この論理には無理があるな
とか考えられるようになれば、それは批判的思考能力が育っている証拠だ思います。
経験によるリアルな自己理解
経験によるリアルな自己理解とは、俗にいう「自己分析」になります。
研究を通して様々な場面に遭遇するかと思います。
実験のためのサンプルを作製したり、実験結果を基に考察したり、後輩に実験指導を行ったり、、、
こういった場面で、どのような感情、思考をしていたかを考えてみることで、
自分の価値観を知ることが出来るかと思います。
研究を通してこの蓄積を行っていくことで例えば、
自分は研究職に向いているのか?
とか、
自分は人と関わる仕事の方が向いているのでは?
といったことが分かってくるかと思います。
ですので、就職活動の時に方向に向かいたいかが明瞭になるかと思います。
ただ、著者は記憶による自己分析や他己分析はバイアスがかかっているために定期的な振り返りを推奨しています。
研究の段取りを分解する
これを基に僕が考えたことは、研究の流れを細分化し、その場面場面で何を感じたか、考えたかをまとめるということです。
研究は大体このような流れで進むと思います。
この流れの中で何を感じていたかを考えていき、自分には何が向いていそうかを考察します。
例えば
実験準備が一番好きだな→その中でもサンプル作製が楽しい→製造業
発表が一番楽しい→人を説得するのが得意→営業職
こんな感じで。
こういったことを定期的に行っていくことで、すごく深い自己分析ができるのでないかなと思います。
これも立派な蓄積だと思います。
▼理系大学院生の中々うまくいかなかった就職活動体験記
広く多様な人的ネットワーク
この蓄積に関してはただ研究生活を送っているだけでは滅多に溜まっていかないかと思います。
毎日研究室に顔を出して実験を行い、数か月に一回の学会発表や論文化を目指す毎日ですから仕方のない部分ではあります。
ただ、学会で興味のある発表(ポスター発表がおすすめ)を聞きに行ってネットワークを構築する練習はできるかと思いますので、こういった機会に積極的に参加することで、蓄積をするための練習にはなるかと思います。
学生主導のやり取りで共同研究に発展するといったことはまずないだろうけど、無駄ではなさそうやね。。。
まとめ
以上、研究から得られる3つの蓄積でした!
意味の見えてこない研究も、自分のためになる部分を探して意識して研究をすることで、結果的に研究成果よりも重要な自らの成長につながると思います。
それでは!!
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